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2021.10.19 | コラム《会社紹介》

伝えてきたもの 伝えてゆくもの #02

  • 製図とパターンのお話

突然ですが、この弊社会長の自叙伝「ブラジャーで勲章をもらった男」の背表紙の写真って、
なんだかわかりますか?

裏表紙

実はこれ、ブラジャーの製図、つまり型紙(パターン)のもとになる図面なんです。本の中にもちゃんとした
写真を載せているのですが、これ結構重要な写真で、カドリールのものづくりの技術の根幹となる型紙づくりのオリジナル手法の一例なんです。

この型紙づくりの考え方は、弊社会長と、会長の本に登場する「伝説のデザイナー」といわれる堀江昭二氏が
長年の歳月をかけて創りあげた門外不出の貴重な私たちの財産といえるものです。

もう少し詳しく説明しますと、型紙づくりには大きく分けて2通りの作り方があります。
ひとつは、立体裁断(ドレーピング)から作るやり方、もうひとつは平面(製図)から作るやり方です。

立体裁断と平面製図手法
どちらにも、良い面、悪い面があり、どちらが正しいということはありませんが、弊社では図学に基づいた
『平面製図手法』からの型紙づくりを基本としています。それは、この技術の基礎を築いた堀江氏が、もともと
船の内装設計を手掛ける設計士だったということもあるのですが、「下着」という肌に密着するインナーウェアをつくるために『平面製図手法』を選ぶその真の理由があるのです。

一般的に、立体裁断は硬いトルソー(ボディとも呼ばれます)に布や紙を巻き付けて、作りたい形に切り込みを入れ、型紙を作るという手法です。これはアウターやサイズの少ない衣料には向いています。
しかし、私たちが柔らかい人体に密着するインナーウェアを作るうえでは、さらに素材とのバランスを考え、
ひとりひとり違う体型にフィットする手法が必要です。その手法の確立に長年研究を重ね、平面製図手法を独自に発展させて完成させたものが、弊社の下着づくりの基礎となっている『原型製図理論』です。

「原型」というのは、平面製図と紙の模型で、もののバランスをとことん突き詰めることで、あらゆる素材や
カッティングに対応することが可能になった大元のかたちです。この「原型」を使うことで、私たちは
より身体にフィットする美しいインナーウェアをつくることができるのです。

今回は、弊社会長の自叙伝「ブラジャーで勲章をもらった男」の背表紙の写真に注目して、カドリールの
ものづくりの原点ともいえる製図についてご紹介しました。次回は、もう少し詳しく、私たちが、最高の着け心地や美しさの演出のために、人の体のことを考えて、製図にあたってどのようにこだわってきたかについてお話ししたいと思います。引き続きご覧ください。

https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-786069-6

 

今回以前のコラム
伝えてきたもの 伝えてゆくもの #01 | カドリールニシダ (quadrille.co.jp)

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