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2023.09.29 | コラム&社員インタビュー《55周年》

【55周年記念コラム】Series2(3)

お陰様でカドリールニシダは今年で創立55周年を迎えました

この節目に当たり、現在まで長年カドリールと歩んできてくれたパタンナーやデザイナーに感謝の気持ちを込めて、バトン形式でカドリールでの思い出や今後への期待を語ってもらうコラムを掲載しています。
それぞれのカドリールでの思い出とともに、当社の歩みを感じ取っていただければ幸いです。
シリーズ第2弾は、勤続20年のパターン研究所(現コアバリュー企画推進室)久保田浩之氏に、当社のパターンナーとしての歩みと守り続けてきた当社のパターンについて語っていただきました。
今回はその最終回。シリーズ2の第1回目コラム『原型について』のところでご紹介しましたが、カドリール製品の基準となる製図を私たちは「原型」と呼び、弊社の製品は、この原型製図をもとに、顧客様のご要望に合わせたデザインにアレンジしてお作りしています。
今回は、この製図をした後、実際のサンプルの縫製に入る前に行う“紙の模型製作”について、久保田氏にインタビューした内容をお伝えしたいと思います。

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  • Profile 久保田 浩之(勤続20年)
    2003年入社、パタンナーとしてデザイン研究所(のちのパターン研究所)に勤務。
    他社にはない作図による設計技術で脇からボディを支えるパターン理論などを確立した当社パタンナー堀江氏のパターン設計製図法の継承に従事する。
    また、それのみにとどまらず設計理論に基づいた上で、要望される(新しい)デザインパターンの具現化や新たな製図法の確立に努め、特に新規の開発に注力しベストセラー、ロングセラー製品のパターン開発に取り組む。

quora iconなぜ模型を作るのですか?模型をつくる意味と重要性を教えてください。

person iconカドリールでは、パターンの模型を紙で作り、形状や容量、接ぎのライン等、そして全体の「バランス」を確認します。紙で模型をつくる理由は、以下の通りです。

1.紙は、張りコシが適度にあって、パターンの特徴も現れやすく、「バランス」等を確認しやすい。
2.生地だと柔らかくて、前述の確認が難しい。また、生地で形にするためには、サンプルを縫製しなければならないので、無駄なサンプルを増やさないためにも、その前に模型で縫製に進めるかどうかを確認しています。

 

 

 

quora icon模型作りに使用する紙は決まっているのですか?

person icon製図で使用するトレーシングペーパーを使っています。製図をするときは、別の製図と重ね合わせて線を引くことが多いため、透過性のあるトレーシングペーパーを使用していますが、模型作りにもこのトレーシングペーパーの利便性と適性が合っていると思っています。

quora icon下着作りのプロセスのどのタイミングで模型を作るのですか?

person iconカドリールのパターン製図設計では、『原型』という元となる製図がサイズごとに存在します。その『原型』は、模型ですでに各パーツどうしのバランスが確認されたものなので、それを用いて3/4カップやダーツにアレンジしたパターンを製図して、再度その模型を確認します。

製品づくりのプロセスにおける模型製作のタイミングは、
1.お客様から依頼されたサイズで、ご要望のデザインにパターンをアレンジし、模型で確認
2.グレーディングに進んだサイズのパターンを模型で確認

カドリールの製図設計理論では、「バランス」が崩れることなく別のサイズが設計できる製図方法になっているので、すべての品番の検証は必要ありません。

quora icon模型作りで難しい点や大切なポイントはありますか?

person iconガードルのボトムのマチ(股)部分など、極度のカーブが集まっている部分は、特に張り合わせることが難しいです。

作るときの大切なポイントは、とにかくパターンの各パーツを正確にカットして張り合わせることです。理由は、作られた模型がパターン通りでなければ正しい検証がえられないからです。正確な模型作りには、テクニックというよりは、慣れが必要で、張り合わせる順番や、どちらの側にテープを貼るかといったコツをつかむことでしょうか。

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3回にわたって、カドリールの着心地を支える模型作りについて、模型作りの正確さでは定評のある久保田氏に話を聞きました。平面の製図から立体の製品になった時のバランスをチェックし、お客様に最高の着心地を提供し続けられるように、こんな地道な作業を今の時代も続けながら、日々新しい製品づくりに挑戦し続けるベテランパタンナーに支えられて56年目。引き継いでいくべきさまざまな技術をこれからも守り続けていきたいと思います。

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蛭川氏、久保田氏とつないできた『創業56周年企画コラム』は今回で最終回になります。
これまで支えてきてくれた蛭川氏、久保田氏をはじめベテラン社員に心から感謝しながら、その技術や姿勢を引き継いで今後もお客様のために社員一同努力していきたいと思います。
本シリーズをご覧いただき、ありがとうございました。引き続き、当社コラムにアクセスしていただければ幸いです。

【55周年記念コラム】Series2(1)はこちら
【55周年記念コラム】Series2(2)はこちら

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