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2022.02.17 ｜ コラム《会社紹介》
伝えてきたもの 伝えてゆくもの ＃０６
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『サイドサポート理論』について
第6回目のテーマは「サイドサポート理論」です。
以前のコラムで私たちのパターン(型紙)に対するこだわりをお話ししました。
そのこだわりのパターン作成技術の根幹をなすこの理論は『ブラジャーで勲章をもらった男』（集英社）の主人公である弊社会長の西田清美と、この本の中で紹介される西田の盟友「伝説のデザイナー」と呼ばれる堀江昭二が創りあげ、今もカドリールに受け継がれる重要な考え方です。
この理論については、弊社HPの「独自のパターン設計」でも簡単にご紹介していますが、
本では、「サイドサポート理論」が生まれた経緯とその理論にこめた会長の想いを紹介しています。
独自のパターン設計 ｜ カドリールニシダ (quadrille.co.jp)
ここでは、サイドサポート理論について、もう少し身近な例からわかりやすく説明してみたいと思います。
窮屈ってなんだろう
しんどい理由はなんだろう
こうやってひとのからだを見つめながら、私たちは日々パターンを研究しています。
突然ですが、質問です。
靴、帽子、眼鏡、赤ちゃんを抱きあげるときに私たちがする動き、満員電車で押されたときの体の反応、そして下着…
一見、これらの間には何の関係もなさそうですが、実は共通点があります。
なんだと思われますか？
靴のかかとの部分をよく見てください。
履く前は、人間のかかとより、少し狭く設計されていて履いた時にピタッと足を横から支えます。
帽子はどうでしょう？
縦に長い楕円の形をしていませんか？帽子も、もともと頭の横幅より狭く設計されていて、かぶると横からフィットします。サイドがしっかりと支えられているので、少々の風には飛ばされません。
眼鏡もそうですね。
鼻だけでなく、サイドから支えることで快適にかけることができます。
赤ちゃんを抱っこするときに私たちはどんなふうにするでしょう？
ふわふわのやわらかい赤ちゃんを抱っこするとき、脇から優しく抱き上げませんか？
前後に押さえて抱っこすると、せっかくニコニコしていた赤ちゃんが、苦しくなって泣いてしまうかもしれません。
満員電車に乗った時のことを思い浮かべてみてください。
前後から押されると苦しくて、自然と体の向きを横にしていませんか？
ここまでで、もうおわかりですね。
靴や帽子、眼鏡、赤ちゃんを抱っこするとき、満員電車で押されたときに体に感じる共通点は、脇、つまり「サイドからサポートすると苦しくない」ということです。
そして、この考え方をブラジャーやインナーウェアに応用したものが、私たちの『サイドサポート理論』です。
カドリールのファウンデーションは、今もこの考え方に基づいて楽でいてフィット性と補正力に優れた製品づくりにこだわっています。
たまごの原理
もう少し詳しく説明すると、ひとの体は、横からの力にはとても強い構造になっています。この構造に関しては、“たまご”を使って説明します。私たちは『たまごの原理』と呼んでいます。
たまごを割るとき、私たちは無意識に割れやすい箇所を打ち付けて割っています。
上図のように、楕円形のたまごは、サイドから働く力には強く、前後に働く力には弱いという構造になっています。
人の体の断面も、楕円形のような形状をしており、これと同じことがあてはまります。
この原理をベースに、いかに人体に負担をかけずに体型を補正し、美しく造形することができるか、そのためにはどのようなパターンであるべきかを追求したのが『サイドサポート理論』です。
カドリールのパターンは、『サイドサポート理論』に基づいて、ブラジャーもガードルも、人間の体よりも横幅が狭く奥行きの深いカタチで設計されています。
そのため、バストやヒップが体の前後から強い力で締め付けられるのではなく、体のサイドから心地よいサポート力がはたらき、理想的な位置に整い美しいボディラインが生まれます。
私たちの作る着け心地にこだわった下着は、主に、弊社ブランド「ツインクロス」の商品で体験していただけます。ぜひお試しください。
『ブラジャーで勲章をもらった男』（集英社）には、ブラジャーやインナーウェアの歴史やそのモノづくりに興味のある方には今回のお話し以外にもまだまだたくさんの興味深いエピソードが詰まっています。
是非一度手に取って読んでみてください。
https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-786069-6
今回以前のコラム
伝えてきたもの 伝えてゆくもの ＃０１ ｜ カドリールニシダ (quadrille.co.jp)
伝えてきたもの 伝えてゆくもの ＃０２ ｜ カドリールニシダ (quadrille.co.jp)
伝えてきたもの 伝えてゆくもの ＃０３ ｜ カドリールニシダ (quadrille.co.jp)
伝えてきたもの 伝えてゆくもの ＃０４ ｜ カドリールニシダ (quadrille.co.jp)
伝えてきたもの 伝えてゆくもの ＃０５ ｜ カドリールニシダ (quadrille.co.jp)